新聞小説

2008年1月24日 読書
我が家の朝刊は、私の希望でここのところずっと朝○新聞です。
ホントは、新聞なんてどこでも同じだと思ってるんですけどね。

以前は読○新聞をとっていたのですが、いろいろトラブルがあったので二度と取るもんか!と、こっそり啖呵をきったわけで…
で、朝○新聞に変えたんですよね。

変えてしばらくしてから、始まったわけです。この新聞小説…
夢枕獏さんの『宿神』。主人公は西行法師。
毎朝、ちょっとづつしか進まないのがもどかしい位、この話がサイコーに面白かったんですよ。
もともと。夢枕さんの小説は好きなんですよね。特に『陰陽師』とか『キマイラ』とかね。だから、この小説が始まったときやった〜って感じで、毎朝楽しみでした。

それが、先日終わっちゃったんですよ。
なんかね、途中から話がどんどんスッポ抜けてっちゃって…、出家してからの話が跳ぶわ跳ぶわ。気がついたら最終回で、本人が眠るように逝って終わっちゃった・・・って感じ。
終わらせるために最後は無理にとんだなーって感じでした。


なんですがっ
今日の新聞に夢枕さんのコメントが・・・
やはり書ききれなかったらしい。で、続き…というか、まるまる抜けた「平家物語」のあたりを別の雑誌に掲載して、完成したら最終的には、1冊(3冊位になるかも…と本人談)にまとめて本にしてくれるんだって。

やっぱりー! が第一の感想でしたね。話が飛びすぎてるもん。むりやり終わらせた感があったんだもんね。
今度は「一冊の本」っていう本に春ころから掲載される予定だそうなので、こっちでも買えるのかチェックしておかねば・・・

春からの楽しみが増えました。(^.^)
なんていうか、時代遅れで不器用で、不運な武士の話。

最初はね、なんかすっごく面白かったです。1ページ1ページ捲るのがもどかしい位、早く次のページが読みたくて、ワクワクしたです。

無骨一直で、明治へと変わり行く時代に付いていけないクソ真面目な下級武士が主人公。ひょんなことで、つい拝んでしまった神社の神様たちが出てきて、さぁ大変。なんと、貧乏神、疫病神、死神・・・・
貧乏神、疫病神には、うまく鞍替えを頼み、自分にとって恨みのある者、邪魔な者に厄災を押し付けながらやってきたが、死神だけは誰に押し付ける訳にもいかず・・・
「武士道に反する…」って、だったら前の2件もそうなんじゃ・・・・と突っ込みながらも、良いテンポで物語りは進みます。

だけど、最後がね。武士としてはきっと最高の形なんだろうけど・・・
今の時代の人間にとって、必ずしもハッピーエンドじゃないよね。この終わり方。コメディだと思って見てたら最後はシリアスだった・・・そんな感じ。

私には後味の悪さが残ってしまった…。最後まで笑わせてほしかったよ・・・・。

さて、映画はどんな出来になってるんだろう。
やっぱり見てみたいなぁ・・・。

そういえば、舞台もあるんだよね。そっちも見てみたいなぁ・・・



ISBN:410101924X 文庫 浅田 次郎 新潮社 2007/04 ¥540
すみません。
読んだのはこの本じゃないんです。だけど、データベースに無かったもので・・・。
同じ『高橋まゆみ』さんの『故郷からのおくりもの』という本なんです。ご自身がお作りになった創作人形の写真集なんですよ。
ちょっとでも雰囲気を・・・この本の表紙写真で感じてくださるとうれしいです。

彼女の作り出す独特の世界。
昔、どこにでもいたであろうおじいちゃん、おばぁちゃん。いたずらっこたち・・。ほのぼのととした田舎の風景・・・。
だけど、どこかもの悲しくて、ときどきホロッと泣きそうになって・・・・だけど、心がポカポカしてくる。
笑った顔、怒った顔、泣いた顔。みんな日常の風景。それでいて、今の日本にはもう残っていない。もういない。
・・・だけど、そんな昔を知らない私でもなんか懐かしい。

なんかね、心に沁み込んで来るような・・・そんな人形たちなんです。

ホントに、ステキな世界。
本当は、写真じゃなく本当の人形をみたいんですが・・・人形展は日本中を廻っているようです。最近近くの町でやっていた事を終わってから聞きました。

んー、残念!
もし、お近くで人形展やってたら、是非ごらんになってくださいね。『ほんとーに、素晴らしいです。』(←と見てきた方が言ってました!)
もちろん、写真でもすばらしいんですよ。 


ISBN:4797416890 単行本 高橋 まゆみ 新風舎 ¥2,625

音楽からの贈り物

2006年11月16日 読書
心の扉って…音楽で開くんだね。
先日から何度か話題に出してた音楽療法の話です。療法士の高本さんの書かれた本を2冊買い求めまして、じっくり読ませていただきました。

まず、この方のすざましい人生に涙しました。若くしての旦那さまの死。ご自分の闘病生活。癌で3回も…。その間に母親と義父の介護・・・。とても私には真似出来るものではありません。

そんな中、音楽の持つ不思議な力に興味をもたれて勉強を始められたそうです。その努力たるや・・・凡人の出来ることではありませんよ。もともとピアノ教室の先生をされていたそうですから音楽の基礎は出来ていたのでしょうけれど。

音楽療法って何ですか?という問いかけには「心身の障害や機能の回復、機能の維持・改善のために音楽を薬として使う一つの治療方法」と答えるそうです。『音楽をくすり』とする以上、音楽なら何でも良いという訳にはいかなくて、心を病んでいる人、知的障害を持っている人、認知症のお年寄り、重い病気で積極的に治療に専念できない人、それぞれどんな音楽が必要なのか。免疫力を高めるにはどんな曲が有効か。そういうことをあらかじめ知った上で音楽を使う。だけど、症状が同じでも、患者さんの生きてきた時代や生活環境、好きな歌等によって処方する曲に違いが出る。だから一人一人違う「音楽処方箋」をつくる。…のだそうです。

深刻な症状のとき、人は歌を歌えない。ただ聞くことだけ。しかし、聞くことによって歌えるようになり、楽器を演奏できるまでになれるんだそうです。その時その時の身体の状態をしっかり把握しながら進めるものだそうです。

にわか仕込みでは、音楽療法なんて出来ないんですね。いろんな種類の音楽を聴いて知っていて、心理学も必要だし・・・。音楽が好きだけじゃなれないんだね。自分の好きな音楽だけを押し付けても、嫌いな人には苦痛でしかないだろうし・・・。

私の職場には、お年寄りがたくさんやってきます。音楽がその人たちの役にたてないだろうか…と考えて興味をもった音楽療法でしたが、人の役に立つなんて素人にはまず無理のようですね。
だけど、まず自分の心の安定とゆとりを得るための音楽を探したいと思います。私のとっておきの1曲ってなんだろうなぁ。好きな曲はたっくさんあるけど・・・。
私たちは知らず知らずの内に、音楽からはいろんな影響を受けてますよね。好きな音楽のジャンルや歌手が同じだと変な仲間意識が生まれたりして・・。うふふっ。
鳥の声や水の音といった自然の音も音楽なのだから、私たちは音楽の中でずっと暮らしているんだよね。音楽のない生活なんて考えられないかもしれません。

今、さだまさし聞いてます。さださんは良いよね。歌詞がやさしくて、メロディがキレイなの。『青の季節』とか『人生の贈り物〜他に望むものはない〜』とか・・。私の心の琴線にふれてキュ〜となってしまいます。悲しい時、辛い時にはとっておきの曲ですよ。
悲しい時は悲しい歌を…これは『同質の原理』と言うそうです。悲しい時に明るい曲聞くと自分の心情とのギャップでイライラしてしまうように人間出来ているようです。悲しい時には悲しい歌を聞き、共感してホッとして精神的安らぎを得るのだそうです。

なるほどなぁ。年に何度か…心が疲れたときなんかに、思いっきりさださんの暗〜い曲ばっかり聞きたくなる時があるんですよ。曲聴きながら思いっきり涙を流すとすっきりするんですよね。難しい原理なんか知らなくても本能で知っているんでしょうかねー。
元気になったら、TOKIさんやSMAさんの歌聞いて、気分を高揚させて毎日楽しくがんばってお仕事するんですよね。これも本能ですかね・・。
心は知っているんですよ。誰に教わらなくても・・・きっと。ね!


そうそう、『音符が読めなくても、楽器が出来なくても…』音楽療法士入門講座が通信教育で受けるコトも出来るんだそうですね。(あくまでも入門講座…もっと専門的な事を学びたかったら専門の学校へどうぞ…というコメント付きですか・・・)
あっ、ギター! ニンテンドーDSだっけ、『弾いて歌えるDSギター“M−06”』というソフトが出るそうですね。DS自体をギターにしてタッチペンで弾くんだそうですが・・・
よくわかんないけど、面白そうですね〜。本当にギターやってる人から見たら邪道かもしれないけどね、楽器が出来ないものにとってはけっこう有難かったりして・・・。うふっ。

音楽療法を勉強するかどうかは別にして、音楽をめいっぱい楽しみたいな〜!と、思う今日この頃・・・。


ISBN:425954649X 単行本 高本 恭子 家の光協会 ¥1,365
『信長の棺』のドラマを見てから、矢も盾もたまらず『秀吉の枷』を読破しました。
やっぱ面白いわ。これ… 寝る間も惜しんで読んでしまいました。

下巻を読み始めた頃から、実はこの作家は秀吉が好きじゃないようだ!と思えてきました。上巻を読んでいる時には、秀吉目線の書き方してるのもあって、秀吉への思い入れが強すぎるように感じたんだけど…
人たらし…この言葉が秀吉への軽蔑を現してるようだと思うようになりました。〜たらし、って良い言葉じゃないもんね。秀吉の場合、武力というより、謀をしてどんどん人をたらしこんで、のし上がってきた人っていう感じだもんね。

小説家、見ていたようなウソを書き・・・この小説、実は小説ではなく、文献とか調べて書かれた論文なのか?と思ってしまう位、力のある小説なのよねー。
うん。これはあくまでも小説であって史実では無いとわかっていても、案外、本当に信長の暗殺には秀吉が絡んでいるのかもしれない…って思えてしまうのよ。だって、秀吉ならやりそうだもんなぁ・・・。イメージって怖いわ。(^_^;)

私も、結構歴史好きで、特に信長のこの時代が好きなので、浅学ながらいろいろと考えたことがあるんですよ。
クーデター起こして、最後に一番得する人が主犯格だと思うのね。なので私は、信長暗殺には家康が絡んでると思っています。光秀と家康が影で共謀したに違いない・・。でなければ、家康が眠る日光東照宮の近くに信長の仇である『明智』の名を持つ土地名『明智平』があるはずがないもんねー。信長殺害後、家康に匿われ名を変えていたのではないか…な〜んてね。光秀の首もまた本人のものかどうかわからないままですから。

信長の遺体は、本当になかったのか、それとも遺体が無かったことにしなければならなかったのか。それはわからないけど、生き延びた説は無いように思う。だって、あれだけの目立ちたがりの人だもん。もし生きていたらおとなしくしている筈がないよ。きっとね。
裏でなにか思惑が動いているに違いない。『もしかしたら信長は生きているかもしれない…』と思わせるための工作かもしれないよね。どっち側のかはわかんないけど・・・。

なんか最近、歴史が面白い。
段々歴史と小説の区別がつかなくなってくるよ。N○Kの大河ドラマに『史実と違う!』って怒って文句がくるって聞いた事があるけど、何が史実かなんて、本当は誰にもわからない事。歴史っていうのは、あくまでも勝った側の都合の良い物語に過ぎないということ。史実では無い可能性が高いってことなんだよね。
まぁさ、今となっては確認のしようがないけどね!

この小説のままだったかもしれないし、ひょっとしたら、私の浅学意見があたってるのかもしれない。本当のコトは誰にもわからない。…だから歴史はロマンなんだよね。
この作家の次の作品が早く読みたいなぁ。信長、秀吉ときたら今度は家康かな。
楽しみです。


ISBN:4532170702 単行本 加藤 廣 日本経済新聞社 ¥1,680

信長が…

2006年11月1日 読書
それじゃぁあんまり可哀相だよぉ。

『信長の棺』が、あまりに面白くって読み始めたらイッキでしたからね、ついついまた買ってしまったんですねー。今度は『秀吉の枷』上下巻です。
作者の「加藤廣」さんは、1930年生まれっていうから現在76歳。大学の法学部を出てずっと金融関係でお仕事されてて、2005年に『信長の棺』で作家デビュー。2006年に2作目の『秀吉の枷』を書いてる。なんかすごい経歴の人だ・・。75歳で作家デビューかぁ。確かに若者には書けない文章だよね。年齢を見て納得です。

まだね、全然読み終わってないんだけど・・・。って言うか、読み始めたらイッキしちゃうだろうからゆとりのある時に読もうと思って読むの我慢してたんだけど、ついついペラペラ開いちゃって…飛ばし読みしてます。

なんかね、『信長…』の続編っていうか、併せて1つのお話っていうか。設定とか状況とか同じなの。おもしろいよぉ、すんごく面白い…んだけどさぁ!
この作者って、信長が嫌いなのかなぁ。秀吉に対する思い入れが強すぎるような気がする。まだ全部読んでないから、最後には違う感想になるかもしれないけど・・・。『信長…』の時はそう感じながったんだけど、『秀吉…』読んでてそう感じた。
「覇王」信長は討たれねばならぬ…って、戦国時代、武力で諸侯を統御し天下を治めるのは当たり前のことでしょう?何も信長に限ったことではないもの。信長のことはまるで恨んでいるがごとく極悪人のように書いているのに、秀吉にはいたく同情的で買いかぶりっぽい。比類なき軍事・政治手腕だって。
私は、信長好きだけどなぁ〜。秀吉より、家康より…信長が良いけどなぁ。
なにも、あそこまで悪く言わなくたっていいじゃないよぉ!と言いたいぞ。ノブりん(←信長の事を私はこう呼んでいる。)にだって良いトコもあったんだから・・。時代がそうさせたんだしね。

もちろん、作者さんだってお話として面白おかしくするため色々考えてこういう設定になったんだろうけどね。『信長…』が『信長公記』の作者・太田牛一の視点で書かれているのに対し、『秀吉…』は、ズバリ秀吉の視点で書いているのね。だからきっと秀吉になりきって書いてるんだろうなぁ〜っとは思うんだけどさ。
だけど、ノブりん好きの私としては、もうちょっと良いイメージを与えてあげて欲しかったんです。しくしく・・・信長が本能寺から脱出できてたら、日本の歴史は変わったんだろうなー。なーんて、この本読みながら考えてしまう今日この頃っす。
まぁね、最後まで読んで・・・それからまたね。


今度の日曜、ドラマ『信長の棺』が放送されますね。念願かなったMaboの信長がすごく楽しみです。原作が面白かっただけに、ドラマの演出が気がかり・・・


ISBN:4532170699 単行本 加藤 廣 日本経済新聞社 ¥1,680
あれから、ちょっと気になったので調べてみました。

今回講演に来られた、高本恭子さんは、奈良県橿原市在住の50歳台の女性です。小学校教諭、音楽教室講師を経て、音楽療法の研究を始め、平成8年に全日本音楽療法士に認定されたそうです。大阪で開業(…って言うのかな?)されていて、本も2冊出版されているそうです。『オフィスとんで』の所属アーティストなんだそうな・・・。(とんで、とんで…の円さんの事務所なんだって!)

音楽療法(ミュージックセラピー)とは、ストレスが原因となり発生する不眠、イライラ、不安、憂うつなどを、音楽によって気分転換やリラクゼーションを生み出して癒す療法。
いろいろな症状に適すると思われる音楽を教えてくれたそうです。
うつ症状の時は脳の疲れをとるバラードを。食事の時にはゆったりとしたモーツァルトを!
女性の更年期には、「アメイジンググレイス」。男性の更年期には「我が人生に悔いはなし(石原裕次郎)」。不登校で悩む母と子に「未来へ(kiroro)」を!
白血病で亡くなった15歳の少年が、「風に立つライオン」を聞いて大人になったら医者になると、最後まで生きる望みを持ち続けることができたそうです。

音楽って不思議ですね〜。
この症状ならこの音楽…って、決まりがあるわけじゃないんだろうから、自分にとって好きな歌、気持ちの良い歌で良いんだと思うのね。
どんな時でも、大好きな歌を聴いたり歌ったりすることで、心が軽くなったりするもの。音楽の持ってる力って図りきれないものがあるんだね。
ますます、音楽療法というものに興味が出てきました。ストレス、イライラ、更年期障害等にも効果があるようだしね・・・・

さっそく、高本さんの本を買って読んでみようと思います。

ISBN:4259546791 単行本 高本 恭子 家の光協会 ¥1,365
本をね、買いました。『信長の棺』って本!松岡くんのドラマの原作ですね。なんか面白そうなので買ってしまいましたぁ!
アイドル誌やマンガ以外の本は、すごい久しぶりですか…いや、ちょっと前にも1冊買ったっけ・・・。
まだ読んでないけど『美しき日本の面影』ってさださんの本。
買っておくて、いつでも読めると思うとそれだけで安心して読んだ気になっちゃう事ってない?今、まさにそんな気分・・・
学生の時から、資料とか集めただけでもう完璧に勉強が終わった気がして、テストが『マッキー』並の成績だったこともしばしばだったもんなぁ・・・・

でもね、勉強は別だけど、本を読むのは嫌いではないんだ。むしろ好きなんだけどね〜、なにせ今時間がない・・・
雑誌程度ならすぐ読めるんだけど、2冊ともハードカバーの3〜400ページはあろうかという大作。出来れば一気に読みたいもんね。…さださんのは、16篇のエッセーに分かれているから、1つづつ読んでもいいかなぁーとは思うんだけどさ、信長…いつ読もうかなぁ。
早く読みたいんだけど、今の状態だと睡眠時間を削るしか方法がないんだよね。それもキツイからなぁ・・・

ホントは、もっともっと読みたい本や見たいDVDがたくさんあるんだよね。も少ししたら、仕事が少しは落ち着くから、それまでに集められるだけ集めて、そして一気に読んでしまおう。読んだら報告しますね。ふふっ・・・
イザとなったら、冬がある!なんたって、雪が降ったら家にいる率が多くなるもんね。(いや、さすがに冬眠はしないけど…)

ISBN:4532170672 単行本 加藤 廣 日本経済新聞社 2005/05/25 ¥1,995